信仰のこころ

当社の信仰は、大御神のおおみ心、調和と統一にあり、鎮魂の古儀、十種神宝の由緒も「愠(とが)めず、恨(うら)まず、平らかな温かい親の心を持って容(ゆる)し給う」と語られる天照大神の神話のこころにつきます。

そして信仰する人の心も神の子として太陽の輝きを受容して志あつい、しかも人を温かく包みこむ人柄へと向かわせます。


まつる神さま

天照大御神さま・稲荷大神さま


ご社名の縁起「神宝とは」

十種神宝の神宝(かんだから)から名付けられています。

親授の沖津(おきつ)鏡(かがみ)、辺津(へつ)鏡(かがみ)、八握(やつかの)剣(つるぎ)、生(いく)玉(たま)、足(たる)玉(たま)、死(まかる)反玉(かえしのたま)、道(ち)反玉(かえしのたま)、蛇比(へびのひ)礼(れ)、蜂比(はちのひ)礼(れ)、品(くさ)品物比(ぐさもののひ)礼(れ)、十種を総称して十種(とくさ)神宝(かんだから)といい、瑞(みづ)の宝(たから)ともいいます。


摂末社

〈龍頭社〉

向かって左の摂社。

竜頭大神をまつる。

 山の地主神と言われ、龍頭をリュウズと読み、西陣織りの横糸をかける金具を意味することから衣を守護する神でもある。

かぐや姫(竹取物語)にも由来するご祭神

「龍の頸に五色に光る玉あり、それをとりて給へ」
なよ竹のかぐや姫は、大伴の大納言に龍の玉を希望した。
この世の男とは結ばれない光線の象徴(かぐや姫)であるせいか、困ったことを要求する。

また、かぐや姫の竹の予(節の間)から生まれたと言うのも織物の杼を象徴しているとも云われ、見事に合致して興味深い。
従って織物の神さまとも思える。
今は、人の六根を清め、けがれた衣を脱皮させる神徳を説く。

〈霊社〉

代々の神職、篤志の崇敬者の祖霊を祀る社

〈布留社〉

布留大神 一名、白菊大神

昔、五条通りにあった小祠、道路拡張のため祠がなくなってしまった。(京都民俗誌掲載)
それを惜しみ当社境内にまつる、大和の布留社(石上神宮)から地下水脈でつながり、白い布が流れつきその神秘を恐み祀ったとも。

高貴な人が無礼にも下馬しないで、通りすぎようとしてふるい落とされたので、社の名前が付いたとの伝説を持つ。

祝詞に生井の栄井、足井、津長井という言葉があるように、水の横溢のすがた、生命力の旺溢を守護される神さま。

神額には正一位大明神と掲げてある。

〈底津岩戸社〉

大宮能女命、山では末広大神、命婦という殿内につかえた巫女とも云われた。

大変芸能に堪能で人気を呼ぶ神さまとして商人、芸能人に信仰をあつめる。

即ち天の鈿女(あめのうずめ)の命と同格の神さま。

日本の母なる神、伊弉冉命(いざなみのみこと)とも伝える。


信仰の伝統

神宝は「死れる人もかへりて生きなむ」と祝詞でのり、病める者への加持祈祷に、そして鎮魂祭の古儀の中で用いられてきたものです。

日本古来の神道にとって、かけがえのない、溢れるばかりの魂の信仰を包み込んできた神宝です。
鎮魂は、魂を鎮める事と同じに、たまふりと読み習わし、生命力の充実、魂の再生を祈るために使われてきた大切なものです。


特殊な授与品紹介

※当社では参拝者に直接授与に徹し郵送を致しておりません

十種神宝お守

二つの鏡、一つの劔、四つの玉、三つの比礼の印からなる。

比礼とは古代の襟巻きで、別れる際、無事の再会を祈り呪いに振った。

秘宝の神秘なお守。

宝 船(版画)

富岡鉄齋翁八十八才

魔除け渦巻お守(大小二種)

俗名隼人の盾黒朱の二重螺旋

かぐや姫の絵馬

かぐや姫参拝の絵

かぐや姫祈念鈴(土鈴)

原 太楽作

火乃用愼

龍を描いたお札


歴史の風景

山城風土記逸文によると稲荷社の鎮座を和銅四年と記し、峰ごとにそれぞれまつられた。

その以前は、山の漢字の姿のように三坐の大神と崇める神体山であったと思われ、その三峯の御前の岡、丸山の名が示すように大切な祭を行う所でありました。

しかし山上御殿は、廃され現在の里宮に祀られるように成って以来、当地も御名と神石、赤松の群生のみが往時を伺う術となっていたが、社殿が再興され、伏見神宝神社として全国崇敬者の信仰をあつめている。


歴史情緒の周縁

呉竹は伏見にかかる枕詞ですが、当社は竹林に囲まれている由をもって、竹の下道の古道が、大和街道、笹波の道に通じ、民俗学の大人柳田国男が深草の地を三千年の文化芸能の金辻と称され、一方物語文学の研究者、高崎正秀博士が竹取物語の原郷とされたことに相応しい情景、情緒を伝えていることからその顕彰碑を建立しその傍ら稲荷山を遙拝する所には、俗名タケノコ石と云う磐境(神の降臨石)を祀り、国内でも珍しい竹の鳥居を建て古代信仰さながらの雰囲気を今に伝えています。


当社をつつむ風景

京都市伏見区深草笹山町15番地

京都は洛南、東山三十六峰の最南端、稲荷山の山ふところ東西を軸にして一の峰、二の峰、三の峰その西、笹におおわれた旧蹟丸山(伝法岡)と称する頂きに鎮座します。

その西麓に天下に名高い伏見稲荷大社がまします。


アクセス

JR奈良線・JR稲荷駅・京阪伏見稲荷駅下車

伏見稲荷大社本殿より徒歩約10分

千本鳥居をぬけ、奥社、左折、根上り松を左に見て、右道しるべ、より2分


地図( Google Map )

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